蔵元で飲み比べる清酒とクラフトビール

関西・オンナの美酒佳肴


【伊丹市・白雪ブルワリービレッジ長寿蔵レストラン】 

 

清酒「白雪」のブランドを醸す小西酒造は、1988(昭和63)年に、いち早くベルギービールの輸入販売を開始し、現在は輸入とともに自社でもクラフトビールを造っている。同社が築250年以上になる蔵を改装して運営するレストランを、日本酒とビール、そして酒蔵ならではの料理を楽しみに訪れた。

まずは、クラフトビールの味の違いを試すべく「KONISHIビールのテイスティングセット」(4種類、各100ml)から。山田錦と日本酒酵母を用いた「ゴールドエール」はフルーティでくいっと飲めてしまう。幕末の蘭学者・川本幸民がペリーの黒船で飲んだビールに感激して、1853年頃に日本で初めてビールを造った。このレシピを再現した「幸民麦酒」は、清酒酵母による風味とコク、まろやかさとキレがあるのが和食に合いそう。ホワイトビール「スノーブロンシュ」は、コリアンダーとオレンジピールの爽やかな酸味が私好み。「ブラックエール」は6種類の麦芽による芳醇なボディで、黒ビールはあまり飲まない私にも苦味がソフトで食事とよく合う味だった。

料理に「酒粕ピザ」を選んだのは、生地とソースの両方に酒粕が入っているというのが気になったから。ピザ生地はふんわりもっちり、酒粕の風味がソフトに感じられて、トッピングのプロシュートの塩けに、奈良漬と酒粕の風味が日本酒好きにはたまらない。

日本酒もいろんな味を試したくて「KONISHIの厳選飲み比べセット」を注文。吟醸ひやしぼり、大吟醸ひやしぼり、碧冴えの澄みきり純米、純米酒こくあがりの4種類が各50ml。すっきりした旨口揃いで、吟醸ひやしぼりのキリッとした味、生詰製法のこくあがりの心地良い余韻ににんまり。こくあがりは温度によって表情が変わるそうで、ぬる燗でもいけるとスタッフの方が耳打ちしてくれた。ここでは燗酒の提供はないので、ショップで買って自宅で燗をしてみよう。スイーツの「日本酒ティラミス」は、ほんのりと「伊丹諸白」の吟醸香を感じるマスカルポーネに、たっぷりの上質な抹茶で、甘さ控えめなのがうれしい。

レストランの2階にあるミュージアムを見学してから、高い天井に太い梁がある広々とした空間で、かつて酒造りがここで行われていたと想像しながらお酒を飲むのも一興だった。

 



◆ MENU(税込)

KONISHIビールティスティングセット1,150円
KONISHIの厳選飲み比べセット950円
酒粕ピザ1,380円
日本酒ティラミス580円


◆ Data

白雪ブルワリービレッジ長寿蔵レストラン
住所 兵庫県伊丹市中央3-4-15
電話 072-773-1111
営業時間 11:30~21:00(L.O.20:30)
定休日 火曜(祝日の場合は営業、翌平日休み)

◆ Writing / 松田きこ(ウエストプラン)
http://www.west-plan.com/

 

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため対策した上で取材・撮影しています。
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